十分な説明と検査を経て、インプラント治療をお受けになることが決まったら、「いかに患者さんが痛みや不安無く安心して手術に臨めるか」に注力し、万全の体制を整えます。
十分な診査と説明
インプラント治療をご希望の場合、まず院長が皆様のお話を伺う時間を1時間お取りします。
そして、皆様のご納得が得られ、相互の信頼関係が築かれたにち、初めて治療を開始致します。
全ての治療は信頼関係を築いてから
インプラントは失われた歯を補うための優れた治療方法ではありますが、治療の選択肢はひとつではありません。 また、インプラント治療が全ての方に適応可能というわけでもありません。
ブリッジ、入れ歯など、それぞれの治療方法に長所・短所があり、インプラントをご希望で来院された方でも、ご説明の結果、ブリッジ治療を選択される方もいらっしゃいますし、ブリッジでの治療を考えていた方が、インプラントを選択される場合もあります。
患者さんの口腔内や全身状態は様々で、治療に対する考え方や生活環境もお一人おひとり異なります。 様々な状況を鑑み、歯科のプロとして最適と思われる治療法をわかりやすくご説明いたします。 患者さんのご納得が得られ、信頼関係が築かれて初めて治療を開始いたします。
初診時
インプラント治療をご検討の方には、まず口腔内の状況を確認し、院長が患者さんのお話を伺う時間をお取りします。これまで受けられた治療の経緯や、将来、ご自身のお口のなかをどのようになさりたいか、ご希望を伺います。
ご予約の時間は最低1時間を頂戴しております。ご心配・ご不安なことを何でもお話しください。
CT撮影と治療計画の立案
相談の結果、患者さんがインプラント治療を希望され、かつ適応症例と判断された場合、手術の安全性と確実性の為にCT撮影をお受けいただきます。当院では撮影専門医療機関であるメディカルスキャンニングと提携しております。熟練した撮影専門の技師が、最新のCT機器で撮影を行いますので、精密な画像が得られます。メディカルスキャンニングは、都内都下に十数か所の医院がありますので、ご都合の良い場所でのご予約をお取り致します。撮影後のCTは当院に送付され、院長が最終的な診断を行います。
患者さんのご希望に基づき治療計画を立案し、治療費も含めて再度、説明の時間を取らせていただきます。
十分な診査と手術の準備
骨の中に人工歯根を埋め込んでいくという外科処置を伴う治療法ですから、十分な診査が必須です。埋め込む部分の診査だけでなく、他の残存歯の状態、全身状態の把握も行います。必要があればインプラント治療に先立って他の治療を行うこともあります。
また、手術の安全確保と感染防止のため、健康状態・服用薬などの問診表のご記入と血液検査をお受けいただきます。この結果は静脈内鎮静を行う歯科麻酔医と執刀医である院長が確認します。
手術日までの注意事項をお渡ししますが、もし不安や疑問をお持ちになられましたらいつでもご相談下さい。
セカンドオピニオンについて
セカンドオピニオンとは、現在の自分の症状や治療法について、複数の医師や専門家に意見を求めることを言います。その情報をもとに、ご自身が納得の上、最も適した治療方法や医療機関を決定しようというものです。 現在、通院されている歯科医院において、インプラントを勧められたが、今ひとつ不安だ、踏ん切りがつかない、説明は理解できたが、第三者の意見も聞いてみたい、そのような場合、専門医である当院長がインプラント治療を含む補綴治療全般についてのご相談を承ります。
料金を頂戴しておりますので、ご遠慮なく相談していただけますし、当院での治療に誘導することもありません。適切なアドバイスのために、レントゲン写真やその他の検査結果を可能な限りお持ちください。 また逆に、当院で説明を受けたが、他院でセカンドオピニオンを得たい方には資料をお貸し出しいたしますので遠慮なくお申し出ください。
インプラント治療を標榜する医療機関が急増するなか、インプラント治療に関しては無料相談が当たり前のようになっていますが、他の医療分野で治療についての無料相談というのは、あまり聞いたことがありません。金額の問題ではなく、無料で相談を受けることにより、相談にのってもらい、場合によっては無料でレントゲンまで撮ってもらったうえで、ここの医院で治療を断ると申し訳ないのでは?というような精神的負担を患者さんに負わせ、判断力を鈍らせてしまうことを危惧するからです。
当院では医師と患者さんとは対等な立場であると考えており、歯科医師の時間に対し、患者さんに対価をお支払い頂き、その患者さんのご相談に、専門家としてお答えする事が歯科医師の責務であり、正当な医療であると考えます。
ストレスをなくす鎮静法
静脈内鎮静により緊張感・恐怖感から解放され、ストレスのない手術が受けられます。
また歯科麻酔医が術中の血圧・心拍数など全身管理を担当しますので、安心・安全です。
静脈内鎮静法の利点
当院では「どうすれば患者さんが痛みや不安無く、安心して手術に臨めるか?」に注力し、一次手術の際、日本歯科麻酔学会認定の専門医である歯科麻酔医が、静脈内鎮静法と術中の全身管理を行っております。静脈内鎮静法は、意識がなくなる全身麻酔とは異なり、意識はあるがうたた寝をしているような、とてもリラックスした状態で手術を受けることができる方法です。
ストレスがなくなり、痛みもなく、いつの間にか手術が終わっていたという感じがします。
静脈内鎮静法を受けることにより、患者さんにご安心いただける点
- 麻酔医の全身管理のもと、不安が取り除かれ、リラックスした状態で手術を受けることができる
- 手術中の器具の振動や緊張感を高める音など、処置中のことを覚えていない
- 処置時間が短く感じられる
- 入院する必要がない
さらに、緊張が和らぐことで血圧や心拍数も安定し、嘔吐反射のある方でも、処置中の吐き気を抑えることが可能です。
手術を行う術者として安心な理由
- 意識があり、自分自身で呼吸ができるので一般的な外科手術に伴うリスクを軽減できる
- 効果が確実で、速やかである
- 万一の緊急時には、静脈からすぐに薬剤を使用できる
- 笑気吸入鎮静法を併用しているため、高濃度の酸素投与が可能である
などが挙げられます。
静脈内鎮静法の流れ
手術が決まったら
あらかじめ全身の健康状態、服用薬などについてご記入いただいた問診表と血液検査の結果を、手術日が決定した時点で麻酔医が直接確認します。服用薬を一時的に止めていただく必要がある場合は事前にご連絡いたします。
手術当日の術前に
鎮静法の手順について、麻酔医から直接説明させていただきます。
術中は
手術室にお入りいただいた後、血圧、脈拍、酸素飽和度などのモニター装置をつけ、全身状態をチェックした上で、麻酔医が点滴を行います。モニター装置は安全のため、手術終了まで装着していただき、麻酔医が常にチェックします。
術後は
特別な処置はありません。個人差がありますが、多少の眠たさやふらつきが残る場合もありますので、30分ほど診療室でお休みいただきます。
その後、麻酔医が覚醒を確認したうえでご帰宅いただきます。普段どおりの生活をしていただいて結構ですが、当日、車などの運転はお避けください。
清潔・安心な手術環境
手術は専用の手術室で、万全な体制下で行われます。
また、当院hが聖路加国際病院の登録医であり、緊密な医療連携システムがございます。
徹底した衛生管理
手術の成功のためにはクリーンルームである手術室の確保と、感染防止のための徹底した衛生管理が必須となります。院長のベルギー留学時代の研究テーマは、「インプラント手術環境の整備」であり、学術誌に掲載されたこの研究論文の結果、留学先のルーベンカトリック大学におけるインプラント手術の手順が改善されました。
右の写真は1994年、院長がベルギー・ルーベンカトリック大学医学部留学中に、インプラント手術メンバーの一員として加わっている写真です。中央が執刀医のファン・スティーンバーグ教授、右隣が介助に入っている院長です。
この研究論文の成果はもちろん当院の衛生管理にも生かされております。
専用手術室・手術準備室の完備
手術はインプラント専用の手術室で行います。異物を体内に入れていく外科処置ですから、一般の診療室とは隔てられたクリーンルームが要求されます。
手術前日には歯科衛生士が決められた薬剤を使用し、決められた順番で手術室・手術準備室および患者さんの更衣室を清掃します。手術台や床はもちろん壁、扉まで清掃します。スタッフにとっては重労働ですが、感染を防止し、手術の成功のためには不可欠な作業です。
徹底的な滅菌
手術に用いられる器具の滅菌には医科用の大型オートクレーブ(蒸気加圧滅菌器)を使用しております。さらに滅菌の徹底を期すため、各滅菌袋の中に 滅菌が完璧にされていることを示す医科用のインジケーター〔試験紙〕を使用し、滅菌が徹底されているか確認します。
清潔・不潔の徹底区別
手術の開始直前に、清潔域である執刀医とその介助医は、手術室に隣接する準備室で、滅菌水と専用石鹸で手洗いをします。その後、歯科衛生士は術者が不潔域に触れることがないように注意深く滅菌手袋、滅菌術衣を着用させます。この手順にはミスは許されず、担当する歯科衛生士は十分なトレーニングの後、この作業に携わることになります。
万全の手術体制
当院では執刀医である院長のアシスタントとして、自ら単独で執刀できる技術を有する歯科医師を1名、介助医として手術スタッフに加えることにより、スムーズで確実な手術を行っています。
さらに麻酔医が、患者さんの全身状態を常にモニターしています。また、歯科衛生士が器材など手術室全般の管理を行い、この合計4名による万全のチーム体制の下、術者である院長は、術部のみに専念することができます。
リスクを限りなく小さくする手術機器類のバックアップ
手術で使用するモーター類は高価なもので、1歯科医院に1台というのが一般的だと思われます。機器類が正常に作動すれば問題はないのですが、万一、手術中に故障したらどうでしょう?切開はしたものの、途中で中止ということになりかねません。当院では機器類は全て、バックアップを準備しており、万一、機器の故障が起こった場合にも対処可能な状態にあります。
あらゆる状況に対応するインプラント材料のバックアップ
手術機器ほどではありませんが、患者さんの骨に埋入するブローネマルク・システムのインプラント材料も高価なものです。一般的には、その患者さんに使用予定のものだけを最小限で準備するのですが、手術を進めるうちに、術者の判断で、予定していたものと若干違うサイズのものを使用した方が望ましい状況になることもあります。そのような場合、材料に余裕がなければ、ベストとはいえない当初の使用予定の材料を使用することになります。また、万一、インプラント材料を途中で落としてしまったりしたらどうでしょう? 今までのところ、そのようなことは起こっておりませんが、それでも当院では万全を期すため、十分な数・種類のインプラント材料を常時、揃えています。
緊密な医療連携システム
外科処置では、十分な注意を払って処置をしていても不測の事態が起こることも考えられます。当院は聖路加国際病院登録医となっております。万一、歯科の領域を超えた処置が必要となった場合でも、緊密な医療連携システムがありますのでご安心ください。